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HeLa 細胞から,ヒストンタンパク質を分離し,
通常のSDS-PAGEをしたものが(a)です。
この(a)を短冊状に切り取り,2次元目のPhos-tag SDS-PAGEを行いました(b)(c)。
リン酸化していないと仮定すれば,全てのヒストンは
ほぼ対角線上に並びます。
(実際には,リン酸化にかかわらず,
Phos-tagとタンパク質の固有の親和性があるので対角線からずれるものもあります)
ヒストンH2Aだけ,対角線から大きくずれ,移動度が小さくなっています。
これはリン酸化によるものではなく,ヒストンH2AとPhos-tagの親和性によります。
Nocodazole処理すると,多くのヒストンがリン酸化しますが,
ヒストンH2A も,さらにシフトアップしたリン酸化スポットが見られます(d)。
ヒストンH2Aが異常に移動度が小さいのは,
グルタミン酸62あるいは65と親和性があるためであることを,
明らかにしています。
グルタミン酸とPhos-tagの親和性が移動度に影響をもたらす例は,
ヒストンH2A以外に発見していません。